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「サクラマスが遡上する真駒内川〜生態から川を学ぶ」報告
2013.03.11
 3月9日午後2時より南区民センター視聴覚室にて、第15回緑の回廊講演会を開催し、「サクラマスが遡上する真駒内川〜生態から川を学ぶ」と題し、稗田一俊さん(動物写真家)にサクラマスの生態を通して川の仕組みのお話をしていただきました。
 「北海道に引っ越して35年になるが、水はきれいだけど、魚がいなくなった」と始まり、まずは稚魚の遊泳している様子から産卵に至る動画を見せていただきました。稚魚は流れの緩い岸際の浅瀬にいました。魚がいる川には、大小の砂利が写っていました。
 石の間にはすき間があり、卵のまわりの水が入れ替わっていることが重要で、泥が発生し石の間に沈殿すると卵は窒息死してしまう。各々の川には、その川の仕組みに合致した固有種が存在しているので、固有種を絶やしてはならない。
 その泥水の発生源は、上流にあるダムで、ダムによって流れが変わる。つまり、ダムの上流側で流速が遅くなり、石を運ぶ力が弱まり、堆積され、細かい砂や泥ばかりが下流に流れる。すると下流側では砂利不足になり、河床低下が生じ、河床低下が進行すると河岸崩壊が起こる。上流側も堆積物の上に川ができ、その川が蛇行して山に触れると岸が崩れ、新たな泥の発生源となる。
 川底の砂利は絶妙なバランスで維持され、川には複雑で多様な仕掛けがあり、生物の多様性を育んでいる。大きな石が挟まり合い動かなければ、川底は下がらなく災害を起こさない。大きな石は生物多様性の要であり、災害を防いでいる。

 当日は悪天候の中、お集まりいただいた32名の皆様、お疲れ様でした。川底の石の役割をまわりの川にお伝えいただければ、幸いです。

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